アウトライン
放射性医薬品(アイソトープ)治療とは
放射線を体外から照射する治療と違い、アイソトープ治療とは、分子標的薬のように口や注射で薬を体内に入れます。するとアイソトープが分子標的薬と同じように病巣に集まっていって、そこで放射線を出すという仕組みです。
放射線・放射能といいますと悪いイメージがありますが、アイソトープを体内に入れても悪い事象は起こりません。アイソトープ治療は1回の内服で終了する、非常に身体に優しい治療です。
痛みを取る治療
がんは進行すると痛みを伴います。痛みの大部分は骨への転移で、これにアイソトープを使用します。たとえば、痛みで立つことができなかった患者さんが、アイソトープ治療によって2週間後には立ち上がれるようになり、1ヶ月後には歩いて外来に来られるようにまでなりました。がんを取り除いたわけではないのですが、いかに痛みを取り除くかという緩和治療も大切な事なのです。
これから
アイソトープ治療は、まだ全てのがんには使えませんが、世界中の核医学の先生方が研究しています。今がんをお持ちの方も、現状でがんばりましょう。現状でがんばっていれば、現在は短い期間で新しい治療が出てくる時代です。私は希望の持てる時代だと確信しています。
今回の講師について
絹谷 清剛 先生
- 金沢大学医薬保健研究域医学系
- 核医学
専門分野
- 生体生命情報学
- 生物分子科学
研究課題
- 放射性医薬品による腫瘍診断,治療に関する研究
受賞学術賞
- 欧州核医学会誌最優秀科学論文賞 (2002、国外)
- 優秀論文賞(欧州核医学会議) (2000、国外)
- 第35回日本核医学会賞 (1996)
- 第二回日本核医学会奨励賞 (2000)
- 佐川がん研究助成金 (2000)
- 北國がん基金助成金 (1998)
