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がんプロトピックス第4回「最新の腫瘍免疫療法」

アウトライン

はじめに

近年、がんによる死亡率が増えてきています。その中でも消化器がんによる死亡率が6、7割を占めています。
今回は、一般診療で行っている治療ではありませんが、免疫治療という将来の治療開発についてのお話をします。

肝臓がんの治療方針

肝がんの治療方針は、がんの程度(病期)と、肝臓のチカラ(解毒や代謝)の2つによって決まります。
例えば、初期のがんで肝臓にチカラがある場合は、肝切除を行うことが出来ます。
がんが進行したり肝臓にチカラがなくなってきたりした場合には、ラジオ波治療・肝動脈塞栓療法などを行います。
がんがさらに進行しますと、抗がん剤化学療法や分子標的薬を使いますが、この段階で肝臓のチカラのない場合は、治療行為はかえって寿命を縮めることになりますので、緩和医療を行います。
また、これらの治療とは別に、肝移植も行われます。

高がん化状態

慢性肝炎などが進行して肝硬変になると、非常にがんが発生しやすくなります。
これを高がん化状態といい、早期にがんが見つかり、切除を行っても、高い確率(肝切除後3年で72%)でがんが再発してしまいます。
したがって、肝がんの場合いかに再発を防ぐかということが大事ですので、ラジオ波治療・塞栓療法とあわせて免疫治療を行う方法を開発しています。

樹状細胞免疫治療の仕組み

細菌やウィルスと同じように、がん細胞も免疫力によって退治できる可能性があります。
私たちの体の中には、「樹状細胞」という白血球の一種があります。
樹状細胞は司令塔としてリンパ球やいろいろな細胞に命令を出し、リンパ球などはがん細胞に群がって集中攻撃するという免疫サイクルを持ちますが、がんを治療するには量が足りません。
そこで、樹状細胞を作り出し、ラジオ波治療や塞栓療法の際に樹状細胞を肝臓に送りこんでおけば、がんの再発を患者さん自身の力で抑えることができるかもしれません。

おわりに

免疫療法の研究は平成13年から始まっていますが、臨床試験によってがん再発の効果があることが分かってきました。金沢大学では、内閣府のスーパー特区・免疫効果増強部門を担当しておりまして、他の機関と協力して免疫療法を発展させていきます。

今回の講師について

中本 安成 先生

  • 金沢大学付属病院消化器内科肝臓センター
  • トランスレーショナルリサーチセンター
専門分野
  • 消化器の腫よう
  • 肝発癌
研究課題
  • ウイルス肝炎から発癌への病態学研究と治療法の開発

参考リンク