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小児白血病

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小児白血病リンパ腫の診療ガイドライン

小児白血病・リンパ腫は、小児がんの中で最も高頻度であり、約40%を占めます。中でもリンパ系腫瘍が多く、これらは抗がん剤が最もよく効く腫瘍とされており、現在では、80%が治癒可能になっています。一口に白血病リンパ腫と言っても、それぞれが多くの病型に別れており、その病型によって治療が異なること、また治療内容によって副作用の程度が異なり、中には病気が治った後に問題が残る場合も少なくありません。それゆえに、それぞれの患者さんの治療にあたっては、正確な診断と適正な治療が求められます。

日本小児血液学会では、より良い医療を患者さんに提供するための一助として患者さんおよび治療を担当される医師の方々にこれまでの医学研究で明らかにされている診断治療の方法を診療ガイドラインとして提供することにいたしました。

このガイドラインは、診断から治療方針決定に至る過程をアルゴリズムで示し、その解説を本文に記しています。なお、その根拠となった重要な文献については構造化抄録の形で学会ホームページ上に情報提供する予定です。

このガイドラインにより患者さんと治療を担当される医師双方が同じ情報を共有できるため患者の家族の方々を含めて相互の理解が一層深まることができ、その結果として、よりよい医療が実践されることが期待されます。しかしながら、ガイドラインの一部には、患者さんには理解しづらい可能性のある用語や内容が含まれています。もし、わからない点などがありましたら遠慮なく担当医師にお尋ね下さい。

小児白血病・リンパ腫の診療ガイドラインは、総論として治療成績に影響を及ぼす因子、各論として急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形性症候群、悪性リンパ腫からなり、治療の方針となる根拠には、以下の基準に基づいたエビデンスレベル、勧告グレードが付記されています。エビデンスレベルは、数値が低いほどよりしっかりした根拠に基づいた提言になっています。

エビデンスレベル分類:
(I)システマティック・レビュー/メタアナリシスによる、(Ⅱ)1つ以上のランダム化比較試験による、(Ⅲ)非ランダム化臨床試験による、(Ⅳ)分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究)による、(Ⅴ)記述研究による、(Ⅵ)患者データに基づかない専門委員会や専門家個人の意見による。
推奨グレード(勧告の強さ):
(A)行うよう強く勧められる、(B)行うよう勧められる、(C)行うよう勧めるだけの根拠が明確でない、(D)行わないよう勧められる。

本ガイドラインは、日本小児血液学会評議員の中からそれぞれの分野に造詣の深い先生方に執筆をご担当いただきました。編集にあたっては、花田良二(埼玉県立小児医療センター、急性リンパ性白血病担当)、多和昭雄(国立病院機構大阪医療センター、急性骨髄性白血病担当)、鶴澤正仁(愛知医科大学、悪性リンパ腫担当)、および堀部敬三(国立病院機構名古屋医療センター、総論担当、監修)が担当し、駒田美弘(三重大学)がその評価にあたりました。また、本ガイドラインは、日本癌治療学会がん診療ガイドライン作成事業の支援を受けており、ご指導をいただいた同学会がん診療ガイドライン委員会(委員長:平田公一)に深謝いたします。

なお、本ガイドラインは、今後3年ごとに改訂する予定でいます。よりわかりやすい的確なガイドラインを提供していきたいと思いますので、お気づきの点がありましたらご遠慮なくご意見をお寄せ下さい。