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北陸がんプロの概要とコンセプト

平成19年4月から施行された「がん対策基本法」の第14条には“国及び地方公共団体は、手術・放射線療法・化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の養成を図るために必要な施策を講ずるものとする”と記載されている。この趣旨に基づき、文部科学省が“がん医療の担い手となる高度な知識・技術を持つがん専門医師及びがんに携わるコメディカル等、がんに特化した医療人の養成を行うための大学(大学病院、大学院)の優れた取り組みを支援する”目的で平成19年度から創設した計画が「がんプロフェッショナル養成プラン」です。

北陸がんプロの概要とコンセプト

全国の大学から応募があった中から、北陸地区の課題も含む18課題が採択されました。北陸地区は4医科系大学(金沢大学、富山大学、金沢医科大学、福井大学)と石川県立看護大学の5大学が共同申請し、北陸3県のすべてのがん診療連携拠点病院に協力施設として加わっていただきました。採択課題名は「北陸がんプロフェッショナル養成プログラム -ICTによる融合型教育システム及び“がんプロネット”の構築-」で、プログラム全体のコンセプトは、①共通カリキュラムによる融合型教育の相互補完、②テレビカンファレンスによる双方向授業、③キャンサーボードによる集学的管理、④標準的治療の実施とアウトカムの検証、⑤臨床共同研究の推進と先進医療の開発、⑥一般住民及び医療従事者向けの様々ながん情報の発信です。

本プログラムには3つのコースが設定されています。①つ目は「北陸がんプロフェッショナル専門医養成コース」であり、高い臨床能力と研究能力を併せ持った臨床医を養成するために、大学院博士課程4年間の間に、がん臨床とがん研究との教育指導の両者をバランスよく按分することによって、効率的な環境下(充実した教育指導と高度な機器)で学位の取得とともに各科専門医資格、腫瘍専門医認定が得られることを目指す一石三鳥のプログラムです。②つ目はがん専門コメディカルの養成を目的とした「北陸がんプロフェッショナルがん専門薬剤師養成コース」、「北陸がんプロフェッショナルがん専門看護師養成コース」、「北陸がんプロフェッショナルがん専門診療放射線技師養成コース」で、がん医療に特化した実践的教育を、医師も含め職種を越えて高度な融合型教育を行い、学位の取得とともに、がんチーム医療に積極的に貢献できる職業人の養成を目指すプログラムです。③つ目は「北陸がんプロフェッショナル インテンシブ医師コース」、「北陸がんプロフェッショナル インテンシブコメディカルコース」です。対象は、すでに学位や学会の専門医、認定医を取得した医師や一定の実務経験を有するコメディカルで、科目等履修生等により一定期間の講義や臨床実習を受けることにより、がんの診断・治療・研究に必要な高度な知識・技術の修得を目指すコースです。

本プログラムの特色は、高い臨床能力と研究能力を併せ持つがん専門医師及びコメディカル養成のための融合型教育システムの構築で、教育ツールのICT(information & communication technology)を「がんプロネット」として北陸地域内外でのがん情報発信・交換にも活用することです。本プログラムに参加する4大学病院及びがん診療連携拠点病院は北陸地域のがん患者の70%以上を診療しており、参加全病院に各種がん診療の標準化を求め、地域のがん診療の質的向上、均てん化を図る。集積されたがん診療のデータベースを用いて、アウトカムの検証を行い、診療向上のためにフィードバックするとともに、臨床共同研究に発展予定です。また、本プログラムで実践されるチームワークを重視した医師及びコメディカルの融合型教育システムは、わが国のがんプロフェッショナル養成システムのモデルとして期待されています。

北陸がんプロの概要とコンセプト

平成19年度から始まった「がんプロフェッショナル養成プラン」は5年間の財政支援が国からなされるが、それ以後は各プログラムの自主運営に任されますため、この間に永続性のある運営システムを構築する必要ですが、最も重要なことは、本プログラムがコンセプトにそって確実に実施されることであり、その為には、関係大学、関係診療連携拠点病院のみならず、行政、医師会、コメディカル団体、住民団体、マスコミ等の幅広い連携が必要です。

「北陸がんプロフェッショナル養成プログラム」スタートが、北陸地区のみならず我が国のがん医療向上に対し、エポックメイキングとなる出来事となることを願っています。